連載 目で見る真菌と真菌症(23)〔最終回〕
診断・治療法から見た大切な真菌症
5.真菌症診断の新しい病理学
若山恵
1
,
斎藤円佳
2
,
渋谷和俊
3
Wakayama Megumi
1
,
Saito Madoka
2
,
Shibuya Kazutoshi
3
1東邦大学医学部病院病理学講座 講師
2東京医科大学医学科第六学年
3東邦大学医学部病院病理学講座 教授
pp.4-14
発行日 2013年9月25日
Published Date 2013/9/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201310004
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深在性真菌症の病理組織診断には組織反応と菌形態の両者を観察することが必須である。基礎疾患や宿主の免疫状態,血清学的検査などの情報を把握し,頻度の高い原因菌と特徴的な組織像が診断の手がかりとなる。近年では,宿主の防御反応や抗真菌薬治療により,多種多様な像を示す組織像に対応することが求められている。また,感受性の高い抗真菌薬を選択する目的で,菌種や菌名をより明確にするために分子生物学的補助診断法が有力な検査法として取り入れられてきている。