Japanese
English
連載 忘れてはならない輸入感染症と稀少感染症(9)
類鼻疽と鼻疽
Melioidosis and glanders
倉田季代子
1
,
成田和順
2
Kurata Kiyoko
1
,
Narita Kazuyori
2
1平塚共済病院呼吸器科
2平塚共済病院臨床検査科細菌検査室
キーワード:
類鼻疽
,
メリオイドーシス
,
Burkholderia pseudomallei
,
輸入感染症
,
肺炎
Keyword:
類鼻疽
,
メリオイドーシス
,
Burkholderia pseudomallei
,
輸入感染症
,
肺炎
pp.117-125
発行日 2013年2月25日
Published Date 2013/2/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201303117
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類鼻疽(メリオイドーシス)はBurkholderia pseudomalleiによって,鼻疽はBurkholderia malleiによって引き起こされる人畜共通感染症である。類鼻疽は不顕性感染が多いが,発症すると肺炎や全身性多発膿瘍を生じ,死亡率が高い重症感染症である。北部オーストラリアとタイ北東部が高頻度発生域として有名だが,近年は発生域が拡大してきており,わが国においてはこれまでに輸入感染症として10例の報告がある。特に糖尿病患者が罹患することが多い。発生域への渡航歴や居住歴がある場合には本疾患を念頭において診療に当たることが重要である。鼻疽(glanders)はおもにウマやロバなどに生じる感染症で,患畜からヒトに感染することがあるが近年は世界的にもほとんど発症がない。ただし,B. pseudomalleiもB. malleiもバイオテロに利用される可能性がある菌として知られており,どちらの疾患も認知しておく必要がある。