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特集 災害における感染症とその予防対策
9.大災害時に抗感染症薬等の医薬品をどのように確保するか-東日本大震災を振り返って,医薬品流通(医薬品卸)・供給側の立場から-
How to ensure the drugs and anti-infective agents during major disasters ? Drug distribution and supply side perspective, looking back on the east Japan earthquake, 2011
安達敏
1
,
村井泰介
2
Adachi Satoshi
1
,
Murai Taisuke
2
1株式会社バイタルネット 執行役員・仕入管理部長
2株式会社バイタルネット 取締役副社長/社団法人日本医薬品卸業連合会・国際委員会 委員長
キーワード:
大災害
,
医薬品
,
抗感染症薬
,
医薬品供給
Keyword:
大災害
,
医薬品
,
抗感染症薬
,
医薬品供給
pp.85-94
発行日 2013年2月25日
Published Date 2013/2/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201303085
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2011年3月の東日本大震災では震災発生直後から医療の必要性が急増し,とりわけ肺炎等の感染症が激増した。対応可能な医療施設の減少とともに医薬品の供給能力は一時低下したが,供給ルートが寸断される中,医薬品供給実績からは,医薬品業界,とりわけ医薬品卸業が自前で種々の手段を講じながら医療施設への供給に努めていた実態が検証された。医薬品全体の供給は震災発生後の10日間に通常の10倍に達したが,抗感染症薬の動きも同様であり,第三世代セフェム系薬を中心に各種の製剤が供給されていた。しかし,医薬品流通(サプライチェーン)の川上(製薬メーカー)⇔ 川中(医薬品卸)⇔ 川下(医療機関)の流れや,物流・運送業者の活動状況など,種々の面で問題の発生していたこともわかった。医薬品流通の情報伝達や有効利用などにも課題があり,本稿では併せて考察した。