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第6章 代謝系に作用する薬剤
[糖尿病治療薬]
SGLT2阻害薬
鈴木 昂名
1
,
宮塚 健
1
1北里大学 医学部内分泌代謝内科学
pp.827-831
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika131_827
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・ナトリウム/グルコース共輸送体(SGLT)2は腎尿細管で管腔側から血管内へ糖を再吸収する役割をもつ.
・SGLT2阻害薬はSGLT2を阻害することで尿糖の排泄を増やし,血糖値を改善する.
・大規模臨床試験の結果,SGLT2阻害薬が心不全や慢性腎臓病の進展を抑制することが報告されている.これを受けて一部のSGLT2阻害薬では糖尿病以外の効能が追加された.
・SGLT2阻害薬はインスリン分泌に直接関与しないため単独投与の場合は低血糖が少ない.ただし,他の糖尿病治療薬を併用する患者では注意を要する.
・SGLT2阻害薬により尿路感染症,性器感染症などが散見されるため,これらの副作用について投与開始前に十分に説明する.
・高血糖にならないケトアシドーシス(正常血糖ケトアシドーシス)を発症することがある.
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