第Ⅲ部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
免疫抑制剤
赤嶺由美子
1
,
三浦昌朋
2
1秋田大学医学部附属病院薬剤部 講師
2秋田大学医学部附属病院薬剤部 教授・薬剤部長
pp.519-525
発行日 2018年2月28日
Published Date 2018/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/1201813519
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)は難病に指定された膠原病の一つであり,日本全体で約6~10 万人程の患者がいるとされている(2013年時点でSLE として難病申請者は61,528 人)。SLE の治療は薬物療法が中心であり,ステロイド剤を主剤として,症状に応じてアザチオプリン等の免疫抑制剤が標準治療として使用されている。その中でこれまで副作用や毒性が少なく,疾患活動性の低下とステロイド剤の減量(または不要)可能な新規薬剤が求められてきた。2017 年に入り,新しい作用機序を持つ生物学的製剤(ベリムマブ〔遺伝子組換え〕)がSLE の治療薬に加わった。これによって標準的治療にべリムマブをアドオンすることで,疾患活動性を低下させ,ステロイド剤の1日投与量の減量が可能となった。