第III部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
免疫抑制剤
菊地正史
1
,
眞野成康
2
1東北大学病院薬剤部 試験研究室長
2東北大学病院薬剤部 教授・薬剤部長
pp.314-320
発行日 2017年1月31日
Published Date 2017/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201713314
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近年,自己免疫疾患のメカニズムは分子レベルで解明されてきており,生物学的製剤やヤヌスキナーゼ阻害薬などの新薬が相次いで上市されている。乾癬では,ヘルパーT 細胞のサブセットの一つであるTh17 から産生されるインターロイキン(IL)-17 が,ケラチノサイトの増殖や関節の炎症に関与することが明らかとなっている。
2016 年には,新たな乾癬治療薬として,ヒト化抗IL-17A モノクローナル抗体のイキセキズマブ(トルツ®皮下注 80 mg オートインジェクター,同シリンジ)および抗IL-17 受容体完全ヒト抗体のブロダルマブ(ルミセフ®皮下注210 mg シリンジ)が承認された。本稿では,これらの作用機序,臨床成績,薬物動態および副作用などについて概説する。