特集 人工知能(AI)がもたらす創薬イノベーション
5.メディシナルケミストリー1)分子シミュレーション
池口満徳
1
1横浜市立大学大学院生命医科学研究科・教授/理化学研究所医科学イノベーションハブ推進プログラム・ユニットリーダー
pp.2033-2037
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018092033
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創薬標的タンパク質の立体構造に基づいたドラッグデザインの各局面における人工知能(AI)応用について解説する。構造生物学実験の進展に伴い,数多くのタンパク質の立体構造がデータベースに登録されている。それをAIによって学習することで,タンパク質のアミノ酸配列から立体構造を予測したり,タンパク質―リガンド間結合を予測することができる。さらに,そのような静的構造だけでなく,ダイナミックな動的構造を計算する分子動力学シミュレーション結果の解析や,分子動力学シミュレーションで用いられる力場と呼ばれるパラメータ構築などのAI応用についても紹介する。