医薬ジャーナル論壇
地域医療の光と影
佐藤 博
1
1新潟大学名誉教授
pp.1169-1169
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018051169
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この度の平成30年(2018年)度診療報酬・介護報酬の同時改定により,日本の健康政策は,今後の病院機能の分化,地域医療連携および地域包括ケアシステム構築に向けて,大きく舵を切った。急性期医療の適正化に向けて,7対1病床の重症該当患者割合を30%に引き上げる等,さまざまな対策が施された。門前分業と揶揄されていた医薬分業も,基準調剤加算を地域支援体制加算と変更し,本来の面分業への再スタートを切った。しかし,変革の歴史の裏側には,常に混乱の狭間で行き場を失う民がいるように,地域包括ケアシステムという光の先に,「医療・介護等における利便性の低減」に行き場を失うであろう患者の影が見え隠れする。