連載 臨床薬学のための病態生理(3)
生理機能検査・各論2血圧脈波検査(ABI,PWV)
山科章
1
1東京医科大学健診予防医学センター・センター長 東京医科大学医学教育推進センター・特任教授
pp.1063-1069
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018041063
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心血管疾患はさまざまなリスクファクターを基盤に生じるが,その主体は動脈硬化である。動脈硬化の進展は緩徐で,初期は全く無症状だが,いったん進展すると不可逆的となり,急激に進行して初めて症状が出現する。そのため,無症状の段階で動脈硬化の進展程度を評価し,必要に応じて生活指導あるいは薬物治療といった介入をしなければならない。
本稿では,動脈硬化病変の評価法として,狭窄の指標である足関節上腕血圧比(Ankle Brachial Pressure Index:ABI)と,動脈壁硬化の指標である脈波速度(Pulse Wave Velocity:PWV)について解説する。