今月の臨床 妊産婦と薬物治療─EBM時代に対応した必須知識
Ⅱ.妊娠中の各種疾患と薬物治療
2.妊娠合併症の治療と注意点
[腎・泌尿器系疾患] 尿路結石
廣瀬 雅哉
1
1大津赤十字病院産婦人科
pp.564-565
発行日 2005年4月10日
Published Date 2005/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100273
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1 診療の概要
尿路結石(urinary calculi,urolithiasis)とは尿路にできた固形物の総称で,部位により腎結石,尿管結石,膀胱結石,尿道結石などに分けられる.これらの結石は多くの結晶と少量の有機物から成り,主成分によりカルシウム結石〔シュウ酸カルシウムやリン酸カルシウム(アパタイト)〕,尿酸結石,シスチン結石などと呼び,これらを代謝結石とも呼ぶ.また,リン酸マグネシウムアンモニウムやカーボネートアパタイトは感染と密接な関係があり,感染結石と呼ばれる1).尿路結石は上部尿路(腎,尿管)に多くみられ(下部尿路の約20倍),男性に多く,青壮年層を中心に幅広くみられる.
一般的な結石形成の要因としては尿路停滞,尿濃縮などが挙げられるが,結晶成分ごとにそれぞれ異なる成因が存在する.尿路結石の診断は疼痛と血尿の症状で尿路結石を疑い,検尿,画像診断にて確定する.尿管結石が嵌頓するときわめて激しい疝痛発作,鈍痛がみられる.
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