連載 リスクマネジメント~院内での薬剤師の活動~(123)
薬剤関連のインシデントを改善するための多職種協働アプローチ~院内組織の設立とFMEAの実践~
川名賢一郎
1
1聖路加国際病院薬剤部・マネジャー
pp.335-340
発行日 2018年2月1日
Published Date 2018/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201802335
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医療関連事故は,医薬品に関する事例が非常に多い。聖路加国際病院では,多職種からなる薬剤業務小委員会により薬剤関連インシデントの分析と対策に取り組んでいる。医療安全の代表的手法にはRCA(Root Cause Analysis)とFMEA(Failure Mode and Effects Analysis)がある。事後対応であるRCAに対し,FMEAは事故が発生する前の故障(事故)モードの段階で要因を抽出し,優先事項を選定し,防止策を講じるものである。PRN(pro re nata:必要時・頓用)処方は,コミュニケーションエラーから不適切な投薬につながる危険があるため,処方指示の在りかたに関してFMEAの手法を用いて検討した。薬剤師は,医薬品が関わるすべての場面でその専門性を活かして,医薬品安全推進のために,セーフティーマネージャーとして関わりを持つことが重要である。