医薬ジャーナル論壇
薬剤師のプロフェッショナリズムを考える
政田幹夫
1
1大阪薬科大学学長/福井大学名誉教授
pp.2615-2617
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201712027
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昨今,三井不動産,神戸製鋼所,日産自動車といった,日本を代表する大企業が相次いで人命にも関わりかねない不正を行っていたことが報道されている。たとえ,重大な事故が起こっていないとしても,そこにプロフェッショナリズムは働いていなかったと言える。このことは,医療業界においても決して無縁ではない。大手薬局の不正請求や,高額な薬剤の中身をすり替えて販売するなど,国民の信頼を裏切る行為を見聞きする度に,薬剤師の将来を憂いているのは私だけではないと思う。日常業務に忙殺されながらも,患者やその家族と向き合い,何とかしたい,健康な生活を取り戻せるようにしてあげたいと必死に頑張っている薬剤師までもが,一括りにされ,同じような目で見られてしまうことを考えると,実に大きな損失である。