column
プロフェッショナリズム
岡田 正人
1
1American Hospital of Paris
pp.91
発行日 2002年10月30日
Published Date 2002/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402908961
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プロフェッショナルというのは日本語では何か時代遅れの響きがあるかもしれないが,その自覚は医師として大変重要である.私たち内科医は,プロとして薬を処方する.そう,研修医の先生方,生半可な気持ちでしてはいけないのである.
降圧薬でもそうである.血圧は数字を正常にするのが目標ではない.血圧上昇に伴う心疾患,脳血管障害,腎疾患などを予防することが重要である.よって,個々の患者さんの合併症により,薬物治療が必要になる血圧のレベル,降圧薬の選択,必要な検査の種類や頻度,すべてが異なる.同じCaチャンネルブロッカーでも,ベラパミル,ジルチアゼム,アムロジピンでは薬理作用が全く違うのは当然だが,最近使用頻度の非常に増えたアンジオテンシン受容体拮抗薬でも,半減期や大規模臨床治検のデータの有無だけでなく,食事と一緒になると吸収が40%も落ちてしまう飲みにくいものと,他の薬と一緒に食後に飲めるものとがあることなど,処方する側として知っていなくてはならないことがたくさんある.
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