発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.20837/12017081899
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わが国は,米国,英国とならび抗菌薬の新薬を開発してきた国である。古くはアミノグリコシド系のカナマイシンやアミカシンがあげられるが,その後レボフロキサシンやメロペネムなど世界的に汎用されている薬剤も多々ある。コリスチンも日本発の抗生物質であり,昭和27年(1952年)にわが国で発売され,その7年後には海外でも使用されるようになった。その後,安全性の問題から日本での発売は不許可となったが,海外では精製度を増した注射剤が使用され続けた。近年,相次いで報告される多剤耐性グラム陰性菌に対し,新薬開発が滞っているわが国で,2015年に海外から緊急導入され,再び使用されるようになった。
日本で創成されたこのポリペプチド系抗生物質コリスチンの開発の歴史を紐解いて紹介する。