特集 糖尿病の最新治療と総合戦略~薬物療法を中心に~
5.GLP-1受容体作動薬
大西由希子
1
1朝日生命成人病研究所附属医院・治験部長
pp.1665-1670
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201707091
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GLP-1(glucagon-like peptide 1)受容体作動薬は,薬理的濃度のGLP-1作用で血糖および体重コントロールを改善する注射製剤である。DPP-4(dipeptidyl peptidase-4)阻害薬より血糖降下作用が強く,体重減少が得られる場合もある。ただし,これはインスリン自己分泌能が残っている患者に使用するものであり,インスリン注射の代わりにはならない。副作用は,使用開始時に見られる悪心,嘔吐,下痢,便秘などの消化器症状だが,投与を少量より開始し,漸増することで副作用頻度を減らすことができる。1日1回投与のリラグルチドとリキシセナチド,1日2回投与のエキセナチド,週1回投与のデュラグルチドやエキセナチドlong-acting releaseなどの臨床成績や,使用上の注意を述べるとともに,現在開発中のGLP-1受容体作動薬についても紹介する。