増刊号 臨床医のための最新エコー法
知っておきたいエコー法の基礎
超音波検査法の原理
大平 悦三
1
1武蔵工業大学工学部電子通信工学科
pp.16-22
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907681
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不可視情報の画像化技術の一つである超音波検査法は超音波診断装置として,医学の各分野で広く実用に供されている.超音波診断装置はレーダやソーナの原理から超音波探傷器の基礎技術を応用したものと言われている.しかし,今日の高度な超音波診断装置の進展には工学者と医学者との協力による独自の研究,および技術開発の成果が大きく寄与していると考えられる.現在,実用化されている超音波診断装置には超音波パルスの反射を利用する方式とドプラ効果を利用する超音波ドプラ方式のものがある1).
これらは電波工学で発達しているレーダと同じ原理を用いる方法で,超音波を対象とする物体に,探触子(プローブ)から細かい超音波ビームを走査しながら物体に照射し,物体からの反射波(エコー)によってブラウン管などのディスプレイに物体の断層像を表示させる方式である.
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