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CRISPR/Cas9テクノロジーに日本国際賞ゲノム編集の革新は倫理的課題にも波及
pp.1402-1409
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201706030
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公益財団法人 国際科学技術財団は4月20日,都内の東京大学伊東国際学術研究センターで,2017年(第33回)日本国際賞(Japan Prize)受賞記念講演会を開催した。前日の19日に,天皇皇后両陛下のご臨席のもと,各界を代表する関係者約1,000人が参加して,国立劇場で行われた授賞式典に引き続いて催された関連行事で,受賞者が自らの研究への思いや今後の展望を語るもの。今回の受賞者は,「エレクトロニクス,情報,通信」分野がアディ・シャミア博士(イスラエル・ワイツマン科学研究所教授),「生命科学」分野がエマニュエル・シャルパンティエ博士(ドイツ・マックス・プランク感染生物学研究所所長)とジェニファー・ダウドナ博士(米国カリフォルニア大学バークレー校教授)。シャミア博士は,暗号研究を通じた情報セキュリティ構築への貢献に対して,またシャルパンティエ,ダウドナ両博士は,CRISPR/Cas(Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeats/CRISPR-associated;クリスパー・キャス)システムによるゲノム編集機構の解明に対して,それぞれ授与された。特にシャルパンティエ,ダウドナ両博士の業績は,ゲノム編集技術に革命的な進歩をもたらし,2015年にはノーベル賞候補にもあげられていた。