第III部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
抗不整脈薬
寺澤無量
1
,
里見和浩
2
1東京医科大学八王子医療センター循環器内科
2東京医科大学八王子医療センター循環器内科 准教授
pp.417-425
発行日 2016年1月31日
Published Date 2016/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201613417
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ランジオロールは本邦のみで使用されている静注用超短時間作用型β1遮断薬である。JLand試験の結果を踏まえて,2013年11月に「心機能低下例における頻脈性不整脈(心房細動,心房粗動)」の効能・効果が追加され,『心房細動治療(薬物)ガイドライン(2013年改訂版)』においても推奨されるようになった。ランジオロールは現在本邦で使用できる静注用β遮断薬の中でも最も半減期が短く,高いβ1選択性を有している。また低用量で開始すれば陰性変力作用は弱く,血圧を下げることなく陰性変時作用が期待できる。現在,心室性不整脈に対するランジオロールの有効性を検討する試験が開始されており,今後も新たなエビデンスの蓄積とともに適応拡大が期待される。