第 I 部 創薬と育薬
2.育薬 2)教育の役割
澤田康文
1
1東京大学大学院薬学系研究科育薬学講座・教授
pp.242-248
発行日 2016年1月31日
Published Date 2016/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201613242
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育薬とは,「国民と医療従事者が密接に連携して,医薬品を育む精神を持って医薬品に関する問題点を見出し,なぜ問題が起こるのか,問題にどう対処したらよいのかを明らかにすることにより,医薬品を進化させること」である。ここで言う「国民」とは,患者,医療消費者,生活者などを指し,「医療従事者」とは医師,薬剤師,看護師などを意味する。 医薬品の進化や,優れた医薬品の創製を果たすためには,国民の育薬精神の醸成と,国民と医療従事者との密接な連携・情報交換に根ざした育薬の推進が焦眉の急と言える。 医療従事者(医療関与者),創薬・育薬研究者,MR(Medical Representative)・MS(Marketing Specialist),医療消費者などは,育薬の推進のために今何が問題なのか,何をなすべきかなどについて,考える必要がある。