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第39回シスメックス学術セミナー セミナーテーマ 「疾患のルーツを探る~ Preclinical Stage~」
pp.1616-1623
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201607026
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臨床検査機器・検査用試薬メーカーであるシスメックス(本社・神戸市)は6月4日,神戸市内の神戸新聞松方ホールほかを会場に,第39回シスメックス学術セミナーを開催した。セミナーテーマは「疾患のルーツを探る~ Preclinical Stage~」,今回の担当企画委員は社会医療法人神鋼記念会総合医学研究センター長・熊谷俊一氏。近年の遺伝子解析の急速な進歩は,多様な疾患の感受性遺伝子を明らかにし,コホート研究などによって判明した疾患発症の環境因子とともに,治療法の開発を促進している。発症前の病態形成段階を的確に捉えることは,病因を知るためだけでなく,発症前診断のバイオマーカー開発を通じて,発症予防や発症前治療への道も拓くと期待される。疾患発症のルーツを遺伝子レベルにまで遡ることで,これまで難治であった病気の克服も視野に入りつつあることを受け,今回のセミナーではパーキンソン病や重症虚血性疾患に対する最新治療法や病態解明の報告が行われた。シスメックス学術セミナーは,同社が医療への貢献を目的に1978年から毎年開催しているもの。朝長万左男氏(日本赤十字社長崎原爆病院名誉院長)を企画委員長とし,企画委員には熊谷氏を始め計6人の医学専門家が就任して,今日の医学に関する最新情報をテーマに選んでいる。会場は神戸の他,東京,仙台,福岡を回線で結び,講演内容を広く共有している。