発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201605122
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
抗癌剤や放射線耐性に関しては,感受性細胞と耐性細胞の組み合わせを用いたマイクロアレイ解析により,耐性細胞において高発現した遺伝子群を耐性候補遺伝子とした。これらの候補遺伝子に関し,遺伝子学的機能解析と臨床サンプルを用いた免疫染色法による機能解析を行った。各候補遺伝子に対する作用薬を検索・同定し,in vitro,in vivo による機能解析により,薬剤の作用を確認した。 転移抑制に関しては,2次元タンパク泳動?質量解析法で,癌特異的に発現低下したタンパクを検出・同定した。このタンパクの発現状態と頸部リンパ節転移の有無に関する臨床症例による比較検討と,発現ベクター導入による遺伝子強制発現実験,in vivo 転移実験により,転移制御因子であることを明らかにした。本候補因子に作用する薬剤は同定できなかったので,遺伝子パスウェイ上で上流に位置する遺伝子に対する発現制御薬を用いて転移抑制が可能であることを同様実験により確認した。