第 III 部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
抗不整脈薬
和泉大輔
1
,
大槻総
2
1新潟大学医歯学総合病院不整脈センター
2新潟大学大学院医歯学総合研究科循環器内科学
pp.480-487
発行日 2015年1月31日
Published Date 2015/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201513480
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不整脈治療の目標は,生活の質と生命予後の改善である。抗不整脈薬により生命予後を改善させるという目標は,心筋梗塞後の心室性不整脈を対象とした臨床試験(CAST:(Cardiac Arrhythmia Suppression Trial),心房細動を対象としたAFFIRM(Atrial Fibrillation Follow-up Investigation of Rhythm Management)試験において否定的な結果となった。低心機能例に対する有効性が示されているアミオダロンについても,生命予後の改善効果は認められないか,限定的である。カテーテルアブレーション治療,植込み型除細動器治療の進歩は続いており,抗不整脈薬は補助的に用いられる場面が増えている。しかしながら,これらの侵襲的治療についても有効性と安全性に限界があるため,的確な診断とともに安全かつ効果的な抗不整脈薬の使用,そして優れた抗不整脈薬の登場が望まれる。