特集 インフルエンザの最新事情とその対策 ~ One Healthの 観点から~
3.日本と欧米の インフルエンザ対策 ~ワクチン,診断,治療~
菅谷憲夫
1
1神奈川県警友会 けいゆう病院小児科・感染制御/慶應義塾大学医学部客員教授
pp.2375-2378
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201510125
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わが国において,インフルエンザワクチンの学童集団接種は,高齢者のインフルエンザ超過死亡を低下させる効果があった。ただし,不活化インフルエンザワクチンは,A香港型インフルエンザに対しては効果が低く,高齢者には効果がない。 ワクチン効果判定は,Test-negative case-control design(診断陰性例コントロール試験)が世界のスタンダードである。日本では,迅速診断をもとにノイラミニダーゼ阻害薬で治療する,理想的なインフルエンザ診療システムが確立している。Randomized Control Trialにより,オセルタミビルの重症化防止効果が証明された。