特集 インフルエンザの最新事情とその対策 ~ One Healthの 観点から~
2.2009年に発生した 新型インフルエンザA(H1N1) ウイルスによるパンデミック ~日本の経験とアウトカムを 振り返る~
岡邦子
1
,
進藤奈邦子
2
,
高城 亮
3
1厚生労働省健康局結核感染症課新型インフルエンザ対策推進室 主査
2[元世界保健機関(WHO)グローバルインフルエンザプログラム テクニカルオフィサー] 室長
3世界保健機関(WHO)パンデミック及び流行危険感染症部臨床管理課コーディネーター
pp.2369-2374
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201510119
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2009年に発生した新型インフルエンザA(H1N1)ウイルスによるパンデミック(世界流行)は,日本を含むほぼすべての国・地域に深刻な健康被害をもたらした。日本がパンデミックによる死亡率を,先進諸国の中で最低値に抑えることができた背景として,準備計画の基盤となる季節性インフルエンザ対応の完成度の高さと,早期からの着実な公衆衛生対策の実施や早期診断治療の実現と,ハイリスク者に対する優先的な介入等が功を奏したと考えられる。