特集 検証「パンデミックインフルエンザ2009」
パンデミックインフルエンザ(H1N1)2009の流行の疫学的特徴
押谷 仁
1
1東北大学大学院医学系研究科微生物学分野
pp.647-651
発行日 2010年8月15日
Published Date 2010/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101865
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パンデミックインフルエンザ(H1N1)2009は,当初考えられていたよりも病原性は高くなかったものの,世界中で18,000人以上の死亡者がこれまでWHO(世界保健機関)に報告されている.しかし,実際にはこれよりも多くの人が死亡したと考えられている.
日本でも2009年5月に最初の感染例が確認され,9月以降は全国的な流行が起きた.これまでのパンデミック対策を考えるために,疫学モデルに基づくシミュレーションなどがなされてきたが,実際に起きたパンデミックインフルエンザ(H1N1)の疫学像はそれほど単純なものではなく,国によってあるいは地域によっても,大きく異なる特徴を持っていた.
本稿では今回のパンデミックインフルエンザ(H1N1)の日本における疫学的特徴についてまとめていきたい.
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