連載 リスクマネジメント~院内での薬剤師の活動~(100)
腎機能に応じた薬剤適正使用への取り組みによる効果
宮本敬子
1
,
渡辺真穂
1
,
山本里香
1
,
平田備子
1
1社会医療法人 明石医療センター 薬剤科
pp.2178-2184
発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201509134
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薬物適正使用の一つに,腎機能に応じた投与量の設定がある。透析患者や,慢性腎臓病患者の増加により,腎機能を考慮した投与設計はますます重要となり,薬剤師の関与が求められる。腎排泄型薬物は,腎機能に応じて投与量を調節しなければ,消失の遅延による副作用の発現につながり得る。また,それ自体に腎毒性を持つ薬剤は,さらなる腎機能低下の要因になり得る。明石医療センターでは,入院患者のうち,クレアチニン・クリアランス(Ccr)30未満の高度腎機能障害患者のすべてにおいて,薬剤投与量評価と適正量提案を実施している。本稿では,その取り組みについて紹介する。