特集 高齢者医療におけるサルコペニア・フレイル対策
8.骨格筋電気刺激による加齢性筋肉減少症 (サルコペニア)の予防・改善
森谷敏夫
1
1京都大学大学院人間・環境学研究科応用生理学研究室・教授
pp.2149-2154
発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201509105
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最近の研究により,加齢性筋肉減少症(サルコペニア)が重要な因子になる歩行速度と生存率とに緊密な相関があることが示唆されている。サルコペニアの予防・改善における運動や栄養および筋肥大をもたらすための効果的なトレーニング法の開発が,高齢者のQOL(quality of life)や医療経済を考える上で必要不可欠になっている。古くから骨格筋電気刺激は臨床応用されてきたが,筋肥大やエネルギー代謝亢進を十分に惹起できるエビデンスは乏しい。我々はほとんど痛みを感じずに強い筋収縮が行える,ベルト電極式骨格筋電気刺激法(Belt electrode Skeletal Muscle Electrical Stimulation:B-SES)を開発して,筋肥大効果や糖・エネルギー代謝活性化に及ぼす効果について検討しており,その成果を述べる。