医薬ジャーナル論壇
薬局の“あるべき姿”と社会との懸隔 −白衣の襟正し,エビデンス発信を−
前田健一郎
1
1本誌編集部
pp.1263-1265
発行日 2015年5月1日
Published Date 2015/5/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201505027
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薬局・薬剤師に対して,社会からの強い向かい風が吹きつけている。まず最初の火種となったのは,国が積極的に推進してきた薬局によるセルフメディケーションである。2014年10月28日,日本医師会は,薬局店頭での自己採血検査の拡大について強い憂慮の念を示し,薬剤師によるセルフメディケーションへの異議申し立てを行った。続いて発火点となったのが,これも政策面で支援されてきた医薬分業である。2015年3月12日,政府の諮問機関である規制改革会議が開催した公開ディスカッションで,議論の俎上に「医薬分業における規制の見直し」が上り,分業のあり方そのものへの厳しい意見が相次いだ。これらを通して見えてくるのは,薬剤師の職能はいまだに広く国民に理解されず,地域に密着した医療提供施設としての薬局の存在意義が,十分認識されていないということである。