小特集 マクロライドの治療効果をめぐる30年の歩み
2.病原体に対するマクロライドの作用メカニズム
舘田一博
1
1東邦大学医学部微生物・感染症学講座・教授
pp.948-953
発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201503948
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マクロライドは抗菌活性を有するのみならず,“新作用”と呼ばれる抗菌活性以外の作用が注目されている。本来は抗菌活性を示さないはずの緑膿菌に対して,14員環および15員環マクロライドが有効性を示すため,この新作用に対する基礎研究が進められてきた。ここでは,細菌やウイルスなどの病原体に対するマクロライドの直接作用に加えて,それらの病原体の増殖や宿主の免疫や炎症反応の改善を介したマクロライドの新作用を中心に解説する。