連載 リスクマネジメント~院内での薬剤師の活動~(95)
院外処方薬の安全管理について ~医療機関等における安全性情報の伝達・活用状況に関する調査より~
平松 彩佳
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1独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全第一部
pp.151-159
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201501151
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独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)では,医療機関等における適切な医薬品等の安全性情報の入手・伝達・活用方策等のあり方を検討し,医薬品等の安全使用の推進に役立つことを目的とした調査を実施している。
本稿では,平成24年(2012年)度に実施した調査のうち,院外処方薬の安全管理についての調査結果および望まれる方向について述べる。
多くの病院では院外のみで処方可能な院外採用薬が使用されているが,適切に安全性情報の管理ができている病院は限られており,薬局に任せているという病院も多く見られた。また,院外処方箋の確認も薬局に任されることが多いようであったが,薬局ではより良い処方監査を行うために,最新の安全性情報のみならず,患者の臨床検査値や疾患名を把握することも必要と考えられていることが分かった。処方する病院側で院外採用薬の適切な安全性情報管理ができる体制が構築されるとともに,院外処方箋を応需する薬局側でより慎重に処方監査を行うことができるよう,適正使用に必要な情報が共有されることが望まれる。