発行日 1953年4月15日
Published Date 1953/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661907283
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はしがき
私が朝日や毎日に原稿を書くと,社は肩書に困るらしいのです。近ごろは醫學評論家という奇怪な肩書をつけられています。私としては衞生教育家とつけてもらつた方が爽やかなんですが,この名はまだ一般化されていませんから,仕方がありません。ともかく厚生畑の院外團というところでしよう。一本の萬年筆と三寸の舌を武器として書きまくり喋りまくりというほど元氣はありませんが,ともかく毎月二十ぐらいの新聞雑誌にものを書き,同じ回數ほど講演をやつて暮しています。
そうした院外團の一人として,ナースの世界をみると,私なりに,いろいろと感想が湧いてくるのです。今月は大阪で看護婦協會の大會があるので出たいとは思いますが,弱つたことに私は女性ではありませんから出席の資格がありません。一人の女性でさえ恐ろしいのに何千人と集つておられては怖氣がついてとても駄目です。アメリカのGIの一人は手術をうけて女性になつたそうですが羨しい次第です。で私は外から見たナースの世界といつた感想文を書くことで出席欲を慰めようと思いたちました。
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