院外活動日誌
院外に出るということ
伊藤 利之
1
1横浜市立港湾病院・リハ科
pp.236
発行日 1978年3月1日
Published Date 1978/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206486
- 有料閲覧
- 文献概要
○月○日
最近,救急医療や寝たきり老人問題などで地域医療に関心がもたれるようになってきた.また,医学会や看護学会においても,世界的傾向として,医師や看護婦の院外活動が重視されつつあり,われわれリハビリテーションの分野で働いているものにとっては大変好ましい方向に発展しているように見える.もちろん,現状がそう簡単に変わるとは思えないが,その方向が示されつつあることは少なからぬ進歩であろう.
リハビリテーション医学の分野では以前から院外活動が重視され,巡回診療,follow-upのための在宅訪問活動が積極的に取り組まれてきた.その理由は,対象患者の多くが身障者で来院が困難だということもあるが,それ以上に,家庭での実生活が環境や介助者の条件次第で大きく変えられてしまうという点にある.すなわち,病院では問題なくできていたことが家に帰ったらまったくできなくなってしまったということはよくあるし,稀にはその逆のことさえある.しかも,家庭の状況が多彩なため,いかにベテランといえども退院後の予測が困難で,院外活動をぬきにしてリハビリテーションは成り立たないからである.
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.