連載 薬剤師による処方設計(31)
感染性心内膜炎におけるベンジルペニシリンカリウムの最適治療支援
小松 敏彰
1
,
厚田幸一郎
2
1北里大学病院薬剤部
2北里大学病院薬剤部 薬剤部長/北里大学薬学部臨床薬学研究・教育センター・教授
pp.161-166
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201501161
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ベンジルペニシリンカリウムは,歴史上最も古い抗菌薬として現在でも使用されている薬剤である。レンサ球菌を起因菌とする感染性心内膜炎においては,第一選択薬として使用されている。一般的に感染性心内膜炎は適切な治療が奏効しない場合,種々の合併症を併発し,死に至る。一部の症例では外科的介入が必要となるが,原則的には抗菌薬による治療が中心となる。北里大学病院では,より適切な治療を行うために全患者を対象にベンジルペニシリンカリウムの血中濃度測定を行い,測定結果に基づき処方設計を行っている。本稿ではこれまで得られた知見と,適切な処方設計により奏効した症例を交えて解説する。