特集2 がん薬物療法の最前線 ~抗体医薬品を中心に~
3.抗EGFR抗体による固形がん治療
高橋雅信
1
1東北大学病院腫瘍内科/東北大学加齢医学研究所臨床腫瘍学分野・講師
pp.97-103
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201501097
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抗EGFR(epidermal growth factor receptor)抗体であるセツキシマブとパニツムマブは,現在大腸癌と頭頸部癌の薬物療法においてkey drugの一つとして用いられる分子標的治療薬である。大腸癌では現在,KRAS遺伝子エクソン2の変異ステータスが治療効果予測バイオマーカーとして用いられているが,今後はKRASエクソン2だけでなく他のエクソン(エクソン3や4),さらにはNRAS変異を含めたAll RAS変異が治療効果予測バイオマーカーとして用いられていくと考えられる。抗EGFR抗体に特徴的な有害事象を適切にマネジメントすることが,抗EGFR抗体治療を継続し,良好な治療効果を得るのに不可欠である。