技術講座 生化学
GC/MSおよびHPLCによる薬物・農薬検出法
松田 貴美子
1
,
中藤 聡子
1
,
湊川 洋介
2
,
山本 誠一
1
,
通山 薫
1
1川崎医科大学附属病院中央検査部
2川崎医科大学生化学
pp.235-241
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100586
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長野サリン事件,地下鉄サリン事件,和歌山毒物カレー事件,新潟アジ化ナトリウム事件および農薬・薬物混入事件など,近年化学物質による中毒災害やテロリズムが発生している.これら中毒事件の対応策として,中毒起因物質分析体制の整備1)の必要性が指摘された.これを受けて当時の厚生省(現在の厚生労働省)により,1998年度に全国の高度救命救急センターおよび救急病院を中心に化学物質分析装置が配備されることになった.
当院の高度救命救急センターにも8種類の分析機器が装備され,中央検査部の一角に毒劇物解析室が設置され稼動している.本稿では,薬物と農薬の中毒原因物質2,3)についてガスクロマトグラフ質量分析装置(以下「GC/MS」)および高速液体クロマトグラフ分析装置(以下「HPLC」)を使用した検出方法4,5)を解説する.
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