第 III 部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
抗凝固薬
奥山裕司
1
1大阪大学大学院循環器内科学/先進心血管治療学寄附講座・准教授
pp.443-449
発行日 2014年1月31日
Published Date 2014/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201413443
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大規模臨床試験において新規抗凝固薬を評価する際には,対照となったワルファリン治療の質に注目すべきである。1日2回内服で試験を行ったダビガトランとアピキサバンは標準的な質のワルファリン治療に対して有効性において同等あるいは優越性が示された。ダビガトランはやや消化器症状の合併が多いが,腎機能正常者での安全性は高い。アピキサバンは適切に減量基準を守ればワルファリンに勝る臨床的有用性が高齢者,腎機能中等度障害者でも確保できる。1日1回内服で試験を行ったリバーロキサバンは有効性について検証した大規模試験で対照となったワルファリン群の治療の質が十分とは言えない。国内のリバーロキサバンの試験からは,75歳以上,体重50kg以下ではワルファリンに比べ大出血が多いことが判明している。