今月の臨床 妊産婦の薬物療法―あなたの処方は間違っていませんか
【よく使われる薬剤と処方の実際】
6.抗凝固薬
小林 隆夫
1
1県西部浜松医療センター
pp.1189-1193
発行日 2008年9月10日
Published Date 2008/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101857
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はじめに
静脈血栓塞栓症(VTE)はわが国においては発症頻度が低いと考えられていたが,生活習慣の欧米化や高齢化社会の到来などの理由により,近年その発症数は急激に増加している.なかでも肺血栓塞栓症(PTE)は,手術後や分娩後,あるいは急性内科疾患の入院中などに多く発症し不幸な転帰をとる.また,抗リン脂質抗体症候群(APS)をはじめ血栓性素因を有する患者では,習慣流産や妊娠高血圧症候群をきたしやすい.これら疾患の治療の基本は抗凝固療法である.
本稿では,妊産婦に抗凝固薬を投与する際の注意事項や投与方法を解説する.
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