特集 医薬経済,費用対効果研究とヘルステクノロジーアセスメント(HTA)
1.医薬経済学的手法による医療技術評価(概論)
鎌江伊三夫
1
1東京大学公共政策大学院・特任教授/キヤノングローバル戦略研究所・研究主幹
pp.2621-2626
発行日 2014年12月1日
Published Date 2014/12/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201411069
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政府内では2年前から医療技術の費用対効果評価の制度化を検討しており,2016年4月よりの試行的導入が予定されている。その背景には,少子高齢化社会の進行や医療技術の高度化によって生じた国民医療費の高騰による皆保険制度の持続可能性への不安がある。欧米では同様な問題に対処するために,英国NICE(National Institute for Health and Care Excellence)に代表されるような国レベルでの医療技術評価の組織が設立され,アジアにもその波が到来している。医薬経済学的手法を用いて医療技術の費用対効果を評価する考え方はわが国にも有用である。一方,技術先進国であるわが国には,技術評価がイノベーションを促進する戦略も必要である。今後,この分野で日本が果たす役割に世界の注目が集まっている。