特集1 実用可能な新しい製剤技術の進歩と将来展望
1.細胞膜透過ペプチドを利用したバイオ医薬品の腸管吸収の改善
亀井敬泰
1
,
武田真莉子
2
1神戸学院大学薬学部薬物送達システム学研究室講師
2神戸学院大学薬学部薬物送達システム学研究室教授
pp.2145-2151
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/12014092145
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バイオ医薬品の経口製剤化を実現するためには,それらの腸管吸収性を顕著に改善することが必須である。筆者らは,細胞膜透過ペプチド(Cell-Penetrating Peptides:CPPs)の細胞内移行特性に着目し,それらをバイオ医薬品と併用することにより腸管粘膜薬物透過性を亢進し,血中移行性を高める手法の開発に着手してきた。本稿では,代表的バイオ医薬品であるインスリンの腸管粘膜吸収改善におけるCPPsの有用性や,より効率的な吸収促進作用を有するCPPの探索,さらには各種バイオ医薬品の腸管吸収改善へのCPP併用投与戦略の応用性等,現在までに明らかにした知見を紹介する。