連載 リスクマネジメント~院内での薬剤師の活動~(89)
がん化学療法施行患者の持参薬による副作用発現への介入 ~病棟薬剤師による持参薬の薬学的管理の重要性~
金光祥臣
1
,
外山聡
2
,
佐藤博
3
1新潟大学医歯学総合病院薬剤部
2新潟大学医歯学総合病院薬剤部准教授・副薬剤部長
3新潟大学医歯学総合病院薬剤部教授・薬剤部長
pp.1605-1610
発行日 2014年6月1日
Published Date 2014/6/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201406119
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入院時に患者が持ち込む持参薬は,入院前は服用が継続できており,また,担当医の専門領域外の薬剤であることも多いため,その副作用が新規プロブレムとして抽出され難い場合がある。特に,病態変化や薬剤による腎・肝障害は,薬物動態に影響を及ぼすため,注意を要する。このような場面では,病棟薬剤師が担当医へ積極的に情報提供し,処方提案を行うことが重要となる。今回,抗がん剤治療施行後に,持参薬の薬物動態の変動が原因で副作用の発現が疑われた2例に対して,薬剤師の介入後,症状の改善が認められた例を紹介する。これらの介入を通じて,病棟薬剤師による持参薬を含めた薬学的管理が,リスクマネジメントの観点から重要であることが再認識された。