特集2 慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)
1.序:CTEPH治療の新展開 ~肺高血圧症治療ガイドライン(2012年改訂版)を踏まえて~
中西宣文
1
1国立循環器病研究センター研究所 肺高血圧先端医療学研究部・部長
pp.2821-2825
発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201312097
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慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)は肺高血圧症臨床分類(ダナポイント分類)のグループ4に分類される,高度の肺高血圧を主徴とする予後不良の希少疾患である。本症への治療としては,中枢型のCTEPHに対する肺動脈血栓内膜摘除術以外に有効な対応法はなく,承認された経口治療薬もこれまで存在しなかった。しかし最近,手術適応以外のCTEPHに対し,カテーテルを用いた肺動脈形成術が確立しつつある。また,経口の可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬の有効性が臨床試験で確認され,わが国でも承認申請が終了している。近い将来,CTEPHの治療は大きく変化すると思われる。