特集1 ワクチン療法の最新事情
10.予防接種教育の重要性 ~「妊産婦への予防接種教育による乳幼児ワクチン接種率の向上に関する研究」より~
齋藤あや
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1東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻地域看護学分野
pp.1965-1970
発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.20837/12013081965
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予防接種の阻害要因の一つとして,情報提供が保護者へ効果的に行われていないことがあげられる。そこで我々が最近実施した,「妊産婦への予防接種教育による乳幼児ワクチン接種率の向上に関する研究」を紹介する。この研究では,母親の妊娠中および出産後1週間の時点で乳幼児に必要な予防接種の情報提供を実施した2群と,何も実施しなかった群とを比較し,情報提供自体の効果および情報提供の時期として,どちらが効果的であるかを検証することを目的とした。結果は,周産期における予防接種教育により生後3カ月時の乳幼児に必要な予防接種の状況や母親の予防接種に関する知識が改善した。今後は,周産期の教育の普及と,時期に応じた教育内容の検討が必要であることが示唆された。