原著
Darbepoetin-α液量変更に伴う疼痛比較について~保存期慢性腎臓病患者における検討~
赤澤貴洋
1
,
鈴木克彦
1
,
鈴木康史
1
1国家公務員共済組合連合会 名城病院 腎・糖尿病内科
pp.1771-1777
発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201307157
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慢性腎臓病(CKD)患者に対しDarbepoetin-α(DA)の投与経路は静脈内投与および皮下投与の両方で適応を取得しているが,さまざまな理由により皮下投与されることが多い。
皮下投与時の疼痛は患者個々の感受性の差が大きく影響すると考えられているが,従来の遺伝子組換えヒトエリスロポエチン(rHuEPO)製剤でも疼痛が問題となることがあった。また,注射液量が疼痛に影響を及ぼすとの報告もあるが,DAの液量は2012年12月に全規格0.5mLに統一された。
そこで,腎性貧血を呈するCKD患者10例を対象に,DA180μgの旧製剤(液量0.9mL)と新製剤(液量0.5mL)の疼痛レベルを比較したところ,液量の少ない新製剤で有意な疼痛の軽減を認めた。(FS〔Face Scale〕:p= 0.042,VAS〔Visual Analog Scale〕:p= 0.021)。
なお,旧製剤から新製剤への変更に伴うヘモグロビン(Hb)濃度の有意な変化や副作用は認められなかった。
以上より,DAの新製剤は皮下投与時の疼痛を軽減し,かつ旧製剤と同様の有効性と安全性を有することが示唆された。