特集 実践!感染症の治療と制御
12.標準予防策と病院環境整備~「国公立大学附属病院感染対策 協議会病院感染対策ガイドライン 第3版」を主に~
内山正子
1
1新潟大学医歯学総合病院感染管理部・看護師長[感染管理認定看護師]
pp.1727-1731
発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201307113
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感染症の伝播防止のためには,標準予防策と環境整備が重要である。標準予防策は,1996年にCDC(Centers for Disease Control and Prevention)が発表し,2007年に改訂した感染防止対策で,汗を除くすべての湿性生体物質(血液,体液,分泌物,排泄物),傷のある皮膚,粘膜は,感染性があるものとして対応することである。手指衛生や防護用具の着用,2007年に加わった呼吸器衛生/咳エチケット,その他いくつかの要素があり,その一つに病院環境整備も含まれている。一般病棟や薬剤耐性菌検出患者の病室においては,高頻度接触面の清浄化,移植関連区域においては空調管理が重要となる。標準予防策や環境整備を的確に実施するためには,各種ガイドラインや文献等を参考に,各施設に応じたマニュアルや手順を作成し,医療従事者全員が標準的に実施できるよう周知したり啓蒙するといった工夫が必要である。