特集 実践!感染症の治療と制御
13.抗菌薬適正使用におけるICTの役割
八木哲也
1
1名古屋大学大学院医学系研究科臨床感染統御学分野・教授
pp.1733-1739
発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201307119
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治療が困難となる多剤耐性菌の出現が問題となる中,抗菌薬適正使用の重要性は増している。米国では2007年に抗菌薬適正使用(antimicrobial stewardship)のためのガイドラインが発表され,わが国からもいくつかのプログラムの成果が報告されている。Antimicrobial stewardship programは,前向きな抗菌薬使用調査と介入によるフィードバック,抗菌薬使用制限,ガイドラインの適用,教育などを組み合わせて,ICT(感染制御チーム)メンバーが中心となって実践する診療科横断的な活動であり,その中に占める薬剤師の役割は大きい。今後は,感染症診療に必要な知識と経験を持つ専門薬剤師の育成がますます求められると考えられる。