医薬ジャーナル論壇
在宅医療で示すべき薬剤師としての矜持 -日薬「将来ビジョン」への期待-
前田健一郎(まえだ・けんいちろう)
1
1本誌編集部
pp.1229-1331
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201305027
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日本薬剤師会(日薬)は4月1日,会としての提言書「薬剤師の将来ビジョン」を発刊した。これは,近未来に向けた薬剤師の理想像について,薬局,病院・診療所,卸といった各職域ごとに検討を行い,あるべき絵姿とは何か,その課題や展望を提示したものである。わが国の薬剤師の歴史から説き起こしたその内容は,非常に広汎かつ詳細に及ぶが,とりわけ興味を引くのが,在宅医療への取り組みに対する薬局薬剤師への檄であろう。超高齢化社会への進展が著しい日本にあって,在宅医療体制の拡充は喫緊の課題と言える。そして,在宅という患者の生活圏での医療を展開するにあたっては,地域の健康ステーションとしての薬局への期待は大きい。日薬将来ビジョンの中でも,「在宅医療は医療人としての資質を問われる試金石」と謳われている。薬局薬剤師には,職業人としての矜持を持って在宅医療に取り組んで欲しい。