特集 骨粗鬆症治療の新展開
4.ビスホスホネート製剤の現況
酒井昭典
1
,
中村利孝
2
1産業医科大学整形外科学教室准教授
2産業医科大学整形外科学教室教授
pp.873-878
発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201303873
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骨吸収抑制剤であるビスホスホネートは,骨粗鬆症の治療薬として広く用いられている。骨密度の増加効果と脆弱性骨折の発生抑制効果について,信頼できるエビデンスがある。服薬後1~3カ月で骨吸収は抑制される。唯一国産のミノドロン酸には,日本人を対象にした骨折抑制試験のデータがある。同じビスホスホネート製剤であっても,種類を変更することによって骨密度増加効果に違いが見られることや,腰背部痛に対する鎮痛効果のメカニズムが明らかになってきた。顎骨壊死や非定型大腿骨骨折などの有害事象が報告されているものの,脆弱性骨折防止効果によるベネフィットがリスクを上回る。現在,月1回製剤や点滴静注製剤が使用可能となり,利便性が増した。