特集 花粉症研究の進歩
XIV.舌下免疫療法から進んだ将来的治療
松岡伴和
1
,
増山敬祐
2
Tomokazu Matsuoka
1
,
Keisuke Masuyama
2
1山梨大学大学院総合研究部医学域臨床医学系耳鼻咽喉科・頭頸部外科講師
2山梨大学大学院総合研究部医学域臨床医学系耳鼻咽喉科・頭頸部外科教授
pp.374-380
発行日 2017年2月15日
Published Date 2017/2/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201703098
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舌下免疫療法(SLIT)は,1986年にScaddingらが報告して以来,ヨーロッパを中心に普及してきた。本邦では,2014年にスギ花粉エキスが発売され,2015年からはダニ舌下錠も使用可能となったが,まだまだその歴史は浅い。舌下免疫療法から進んだ治療として,投与抗原の今後として,変性抗原やT細胞エピトープペプチド,また,舌下に代わる投与ルートとしては,経口・経リンパ・経皮免疫療法などが検討されているが実用化には至っていない。近い将来,スギ舌下錠も登場すると思われるが,ヒノキ花粉抗原の問題や,ダニ舌下錠との併用療法の問題など,舌下免疫療法にもまだまだ問題は残されており,まずは,舌下免疫療法の普及を将来への第一歩としたい。