特集 ホルモンによる骨代謝の制御
4.臓器連関から見たホルモンによる骨代謝調節(2)オステオグリシンなどのマイオカイン
河尾 直之
1
,
梶 博史
1
1近畿大学医学部再生機能医学
キーワード:
マイオカイン
,
筋・骨連関
,
マイオスタチン
,
フォリスタチン
,
オステオグリシン
Keyword:
マイオカイン
,
筋・骨連関
,
マイオスタチン
,
フォリスタチン
,
オステオグリシン
pp.152-157
発行日 2019年4月1日
Published Date 2019/4/1
DOI https://doi.org/10.19020/KB.0000000202
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
サルコペニアと骨粗鬆症に共通するメカニズムとして,筋と骨の相互作用(筋・骨連関)の関与が注目されている.骨格筋から分泌される種々のマイオカインは,骨代謝に影響を及ぼすことが明らかになってきた.筋量を減少させる因子であるマイオスタチンは,破骨細胞形成促進や骨芽細胞分化抑制により骨量を減少させる.フォリスタチンはマイオスタチンの阻害因子であり,重力変化による筋量と骨量の調節に寄与することが示唆される.アイリシンは運動により骨格筋から分泌され骨量を増加させるマイオカインであり,卵巣摘出による閉経後骨粗鬆症マウスでは骨細胞性骨融解に寄与することが示唆された.オステオグリシンは骨代謝を負に調節するマイオカインであることが示唆されている.骨代謝に影響を及ぼすマイオカインの研究を通じて,骨粗鬆症とサルコペニアの治療薬開発に繫がることが期待される.
Copyright © 2019, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.