骨折予防のための栄養と運動
骨強度を高める運動療法
岩本 潤
1
1慶応義塾大学スポーツ医学総合センター
キーワード:
運動療法
,
メカニカルストレス
,
骨密度
,
思春期
,
身体運動
,
スポーツ
,
閉経後
,
骨折-骨粗鬆症性
Keyword:
Exercise Therapy
,
Puberty
,
Stress, Mechanical
,
Sports
,
Exercise
,
Bone Density
,
Postmenopause
,
Osteoporotic Fractures
pp.295-299
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.19020/J02201.2017043286
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骨の健康維持・増進には骨に加わるメカニカルストレスが重要である.成長期では,思春期前からのジャンプ運動は骨塩量の増加に効果的である.青年期では,スポーツ活動(体操や球技などの荷重運動)を行う選手では骨密度は高く,若年成人期・閉経前では,ジャンプ運動・筋力訓練・複合運動(荷重運動と筋力訓練)は骨密度を増加させる.閉経後は,ウォーキング・有酸素荷重運動・筋力訓練・複合運動(荷重運動と筋力訓練)は骨密度を維持・増加させる.高齢期では,運動療法の目的は,骨密度増加よりもむしろ転倒防止とするのが得策である.骨粗鬆症に関連する骨折を抑制するためには,生涯を通じての身体活動が重要であることには異論はないが,骨強度を効果的に増加させるには,子供のころからの対策,すなわち思春期前(初経前)からの積極的な介入(ジャンプなどの荷重運動)が望まれる.
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